汗臭い身体を湯につけた手拭いで拭い、執事が用意した新しいシャツに着替えた。

 当初は庭仕事に対して愚痴の多かった執事も、花壇が華やかになるにつれて思う何かがあったらしく、今では黙って俺のする事を見守っている。

「ローズはどうしている?」

「ご自分の寝室で休んでいらっしゃいます」

「すまないが、呼んで来てくれないか」

 俺とロージーは結婚して三年の月日が経った。
 あれから何の問題が起きる事もなく、平穏な日々を過ごしている。

 夫婦仲もごく当たり前の、どこにでもあるような喧嘩や仲直りを繰り返しながらあっという間にここまで来た。 それでもいつの間にか寝室は別になり、互いに関心を寄せる回数も減った気がする。

「ロゥ、気分が優れないのよ。 話なら簡潔にお願いできる?」