私は今、夏休み直前の期末試験で頭を悩ませてる。


 春日の力を借りないで頑張ったけど、赤点ギリギリのラインで乗り切った。

 何事も無かったように、春日は試験を受けて結果を出してる。

 彼女の生き霊がどこに行ったのか、元の主に戻ったかは確認できてない。


 先輩は……

 入院中に私と別れて、噂だった別の女子とつき合ってるらしい。


「さて、行きますか!」


 私は夏休みが始まってすぐ、行きたい場所があった。


「こんにちは花田さん、綿貫神社の宿泊体験へようこそ!」


 制服姿の綿貫さんが出迎えてくれた。

 巫女さんもいいけど、短いスカートの制服姿も似合ってて可愛い。




 池の水辺から四つん這いで迫る怪異の動画を見た時、恐怖で体を丸めていた。

 先輩や幼なじみの春日とも険悪になり、呪いで苦しめられ最悪な時間を過ごす。
 
 でも、同級生の綿貫さんと出会うことができて嬉しいこともあった。


 神社の敷地に古くからある神木を見つめながら、私は語りかけるように呟く。


「もし、私が春日の立場で苦しんでたら……」



 薄暗い水辺で、私は彼を思いながら同じことをしてたかも




 怨みを込めた、呪いの言葉をつぶやいて……







 ~ fin ~