洗面所で倒れてた私を、母がリビングの長椅子に寝かせてくれていた。


 期末試験に向けて、苦手な勉強を頑張ってたから疲れたんでしょ。

 なんて笑い飛ばしてる。


 本当のことは家族に言えない。

 呪われたなんて、信じてくれないよね。

 私自身も、何かの見まちがいであってほしいと思ってる。


 昼から学校に登校すると、クラスメイトに体の調子を心配されてしまった。

 その中で、春日だけは真逆の態度。

 私の耳元に口を近づけ、小声で話かけてくる。


「安井先輩、入院したんだって……」


 驚く私に向かって、笑顔を見せながら続けた。


「幻覚を見てるように、暴れたんだって。きっと、心が壊れてしまったんだね……」



 まさかと思ったけど、少しずつ疑いが確証に変わっていく……