その日の放課後、先輩が自宅に返されていたことを噂で聞く。


 心配になった私は、様子を見るため先輩の家に行こうと考えていた。

 下校するため、生徒玄関で外履きのローファーを取り出そうと収納箱の扉を開いた。


「ん?なんだろう……」


 ローファーの上に写真が置いてある。

 よく見ると私で、しかも……



 お腹の部分に、針が刺さっていた……



 昼休み、ちょっとチクチク痛むな、と感じていた。

 私の見えないところで、誰かが陰湿な行為をしていたせいか。

 血の気が引いて、顔が青ざめていくのが分かる。


「花ちゃん、今日はおとなしく帰ったほうがいいかも」


 背後から聞き覚えのある声がして、私は急いで振り返った。


「椿、まさか……」


「血相を変えて、何かあったの?」


 春日が可愛い笑顔を見せながら、横に小首を傾げてる。

 わざとらしい笑顔を目にして、犯人は春日だと思うけど確証がない。


「今朝の先輩、ちょっと変だった……」


「今は花ちゃんの彼氏でしょ、あたしには関係ないし」


「でも、元カレでしょ? 心配じゃないの?」


 春日はニヤリと唇の端を吊り上げて言い放つ。


「心配だったら、花ちゃんが身代わりになったら?」



 私が先輩の身代わりって、なによそれ……