「遅い」

 私は社長の前で軽く溜息をもらし、

 「秘書のお姉様達から告白されてました、その返事を返していただけです。」


 「いつからそんな趣味に変わった」


 「私は前から男性より女性が好きですよ」

 私は自分のデスクに座り午後からの仕事を始めようとしたのに、社長はジット視線を送る。


 社長が私の前に達「業務命令」だ


 「3日以内に俺のマンションへ引っ越しだ」


 私は訳も分からずイヤだと拒否をした。


 社長は私の耳元で

 「ダイヤの原石が極上の光りを輝かせ、石に大きな翼まで付けてきた、せっかくのダイヤを俺が手放すわけがない」


 「それとも翼を一枚ずつむしり取り、鳥かごへ入れようか?」


 私は言葉が出ない。


 「琴美が、痛い、痛いと泣きながら腕の中にくるのが楽しみだ」


 いったい何を考えているのか分からない、男女の関係もプライベートで食事も行ったこたもないのに。


 社長と秘書それ以上でなない。


 でも、いつからか私を名前で呼ぶようになった。


 まるで自分の物のように、これではまたお姉様達が騒ぎはじめるだろう。


  うんざりする。


 「琴美返事は?」


 「やっぱりイヤです。聞いて貰えないなら退職させて頂きます」


  「そうか、なら閉じ込めるか」


 鋭い目、社長を怖いと思ったのは初めて。


 私は意思とは関係なく「はい」と返事をしていた。