ブランコに座って。

ただ黙っている時間が少し流れた。


オレはこっそりさやかちゃんを見てみる。



さやかちゃんはじっと空を眺めているみたいだった。


凛とした横顔。


「さやかちゃん」

オレは声をかけた。


気持ちを伝えたい。


でもさやかちゃんはオレのほうを見ずに、
「小学生から見たら……」
と話し始めた。



「小学生から見たら、私たちも大人っぽく見えるんでしょうね」



「……そうかもね?」


「さっきは大人ぶってみちゃった」

さやかちゃんはやっとオレのほうを向いてくれた。
目を細めて笑っている。


「大人だったよ、マジで」

ちょっとからかうような口調で言ってみる。



「……」

さやかちゃんは黙ってしまった。




……?





「どんなに大人ぶっても、私はやっぱり子どもなんですよね。何にも出来ない」




「さやかちゃん?」