「ねー、ねー、カップルなの?」

坊主頭の男の子がくすくす笑いながら、さやかちゃんに尋ねる。


オレが間に入らなくちゃ、と思っていると、坊主頭の男の子と目が合った。


その瞬間、坊主頭の男の子は顔を真っ青にした。


……ん?



気づくとさっきまでニヤニヤしていた他の子たちも、青ざめた顔をしている。




「え?」


どうしたんだろう?



「先パイが怖いんですよ」

さやかちゃんの冷たい言葉がオレの心を一瞬でえぐった。



「え!?」




「いやいや、『え!?』じゃないでしょう。先パイの見た目、先パイが思っているより怖いですよ」



「そうなの!?」

思わず小学生たちに問いかける。



小学生のみんなは、黙って全員が頷いた。




ショックだ……!!




「あ、ショック受けてる」

さやかちゃんがマスクの下で笑ったことが分かった。



小学生たちも笑い始める。



「大丈夫だよ、このお兄ちゃん優しい人だよ。怖くないよー」


さやかちゃんの言葉にみんなホッとしているようだった。



「でも、ごめんね」

さやかちゃんは小学生たちに続ける。