もしそうだとしても、伝えたい。


仮に。

オレの気持ちを受け入れてもらえたら。




これからずっと一緒に並んで歩くんだ。

やってくる季節のキレイな空を、景色を。

楽しい時間を、気持ちを。

全部ぜんぶ。


さやかちゃん、きみにあげたい。





公園の中にあるたくさんの遊具。

さやかちゃんはクールな表情のまま、迷わずブランコに座った。


「私、ブランコが好きなんですけど……」


「……けど?」



「ブランコから落ちたことがあって、怖いんです」


「怖いのに、好きなの?」



「だって好きな気持ちは、永遠だと思うから」


オレは黙った。


好きな気持ちは、永遠。


分かる気がしたけど、本当の意味では分かってないと思ったから。



「でも怖いから、座るだけ。臆病ですよね」



さやかちゃんが遠い目をしたその時。


「カップルだーー!!」
と、高い声がオレたちの邪魔をした。



振り向くと小学生の男の子数人が縄跳びを持って、わらわらとブランコに近づいてくる。