「これからどこに行くのか決まってますか?」

さやかちゃんはスマートフォンを軽く操作して、
「私、ここに行きたいんですけどいいですか?」
とオレに画面を見せた。



『移動販売 クレープのお店』


画面には女子が好きそうなカラフルなフルーツの写真。

それに一台の車の写真。


「いいよ、行こっか」

オレは自分のスマートフォンを取り出し、自分も同じ画面になるように操作した。


「どこに行けばあるんだろ?そのお店」

「移動販売」って書いてあるから、どの時間にどこにいるのか知る必要がある。


「……あ」

オレはそのお店が発信しているインターネットのページ内に、「スケジュール帳」と書かれているところを見つけた。


タップしてみる。

今から30分後。
学校から近い場所にあるショッピングモールの広場で出店する予定らしい。



「30分あれば余裕で行けるね」

さやかちゃんに伝える。

さやかちゃんは、
「行きましょう!是非!」
と、キリッとした態度で少し早足になった。