ふたりで校門を出て歩き出した。


あれ?


ふと、隣に歩くさやかちゃんの髪型が昼休みと違うことに気づく。


昼休みは確かいつも通りに長い髪をおろしてたけど、今は耳元が見える髪型になっている。


何ていうんだっけ、この髪型。
里帆のやつも時々してるよな?


あ、ハーフアップ?
しかも編み込みまでしてて、凝っている髪型に見える。


「髪型、昼休みと違うね」

何気なく言ったオレの言葉に、さやかちゃんはほんのり赤くなった。


「だって……、デートだっていうから」



オレの心臓は威勢の良い和太鼓みたいになる。

ドキドキじゃなくて、もはやドコドコドンドンだ。



可愛い!




オレの言った言葉でさやかちゃんの頬を赤く染めたことが嬉しくて仕方ない。

オレのためにさやかちゃんがオシャレしてくれたことを、会う人全員に自慢したいくらいに心が浮かれてしまう。

しかもちゃんと「デート」のつもりでいてくれている。



「ね、先パイ」
さやかちゃんは歩きながら、通学鞄からスマートフォンを取り出した。

「ん?」