「いいですよ、デート」


さやかちゃんはケロッとした様子。


「放課後って空いてますか?」


「あ、うん。空いてる……」



「じゃあ、今日の放課後に校門前で待ち合わせしましょう」
 

テキパキと約束して、さやかちゃんは教室に戻って行った。




またひとり、オレは残される。





「……え?」



デートする。

さやかちゃんと。


頭の中で「デート」の文字が浮かんでいる。


頭の中がクリアになってきて、
「っっしゃっ!!!」
とガッツポーズした。









放課後。



オレは校門前に立っている。


心臓はドキドキ。

でもって頭の中は大騒ぎ。


嬉しさで体中がパンパンに膨れそう。
空も飛べるかもしれない。




「先パイ、お待たせしました」
さやかちゃんはそう言いつつ、オレのほうにかけ寄ってきてくれた。



好きな女の子が、オレのほうへかけ寄ってきてくれる。

……幸せ!!




「い、行こっか」
とりあえずカッコつけて言ってみた。