さて、今日から晴れて大学生活の始まり。

…ところで。

大学という場所は、小学校や中学校と違って、学びたい分野によって様々な学部に分かれている。

高校も、最近は色んな学部に分かれてるよな。

実際俺だって、帝国騎士官学校という、帝国騎士育成専門の学校に通っていた訳だし。

それはともかく。

大学は、もっと学部の違いが顕著だ。

自分の学びたい分野を中心に、専門的に学ぶ場所。

故に、学生は一人一人、自分の学びたい学部を受験することになる。

とはいえ、俺は特に学びたい分野もなく。

そもそも、大学生活は表向きのもので、本来の目的はスパイ活動なのだから。

学ぶ分野なんて、どうでも良い。

と、いうことで適当に選んでみた。

「…ふふ」

入学式の途中、俺は思い出して、少し微笑んだ。

俺が選んだ学部のことを、ルルシーに初めて話したとき。

あのときの、ルルシーの反応は面白かったなぁ。

あれは、帝国騎士団の申し出を受けると決め、じゃあ今すぐ受験の為に願書を出さなければならない、となったときだった。