沙知見さん、もう帰ったかな~。
またあそこを通ると、総攻撃を受けそうだ。
コンビニでの用はもう終わったのだが。
少し時間をつぶそうと、日子は雑誌コーナーへと向かった。
だが、ガラスの向こうの暗がりから、男がこちらを見ているのに気づく。
ひっ、沙知見さんっ。
日子のとは違う男性らしいフォルムのトレンチコートを着た誠孝が闇の中から鋭い目つきで日子を見つめていた。
張り込み中の刑事に見張られているような雰囲気だ。
だが、その張り込み中の刑事は目が合ったのが合図であったかのように、ズカズカ、コンビニの中に入ってきた。
に、逃げようっ、と反射的に思い、日子は、きょろきょろと周囲を見回したが。
大股に近づいてきた誠孝にガッと手首をつかまれた。



