「泥棒とゲームね。
酔ったあんたなら、幽霊とだって陽気に対戦してそうだけど。
私、途中で帰っちゃったからな~」
そう言った羽根は社食で後ろの席にいた後輩の西森裕子を振り向き、訊いてくれる。
「ゆーちゃん、知ってる? 日子が最後に誰と呑んでたか」
「知りません。
私、途中で消えたんで。
確か、星野さんが付き合ってましたよ、最後まで」
と裕子は日子の同期の名前を上げる。
そういえば、星野、途中から来たっけな……と日子が思ったとき、羽根が言った。
「そのゲームの男、星野じゃないの?」
「待って。
星野の名前、丈太郎じゃなかった?
シゲタカってなによ。
ミドルネーム?」
星野・シゲタカ・丈太郎とか、と日子が言うと、羽根が、
「いや、あいつ、なに人よ?」
と言う。



