昨日、あなたに恋をした

 しかも、最近、可愛いコンパクト財布に変えたので、ますます入ってない感じに見えるんだが……。

「このマンション、今、空きないぞ」

 冷静に誠孝が言う。

 いや、そうなんですかけどね……。

「いろいろ考えてる間に、片付けた方が早いと思うが」

 沙知見さんならね、と思う日子に、誠孝は更に言ってきた。

「ともかく、片付けはじめなきゃ終わらないだろ」

 うっ。
 今、この仕事で疲れた身体に鞭打つような正論は聞きたくないっ、
と思った日子は、

「はいっ、頑張りますっ」
と言い、財布をぎゅっとつかんで逃走した。

 帰りに、またここを通ることになると知りながら――。