昨日、あなたに恋をした

 いやいや、郁美さん。
 食欲ないときは、味が濃いもの、意外といいんですよ、
と思いながら、透視した通りに(?)あった、1/8玉になっているキャベツと、断面の膨らんだニンジンを取り出す。

 足許に転がっている玉ねぎも取り、

 そもそもあまり料理しないので、さほど散らかっていないキッチンにそれらを並べてみた。

 誰もいないのに対面キッチンなキッチンから、そこそこ広い部屋を眺める。

 ……雑然としている。

 片付けようとしている意思は感じられるようになってきたが、家中に物があふれている。

 昼間、郁美が言っていた、雑然としたサバンナ、という言葉。

 ここにも当てはまるようだ……。

 包丁もつかまず、サバンナを見、まな板の上の野菜たちを見る。

 もう一度顔を上げたとき、ベランダの方からやってくるシマウマと、トイレから出てくるキリンの幻が見えた。

 ……なんかもう、日曜までに片付けられる気がしない。