昨日、あなたに恋をした




「東城先輩。
 いいこと聞いたんですよー」

 日子が帰ったとき、東城は、またマンション前庭の草をむしっていた。

 いきなり背後からそう言って、うわっと驚かれる。

「ああ、日子か。
 おかえり」

 ……おかえりって言ってもらえると、なんかホッとするな。

 東城先輩がここの警備やってくれててよかった。

 でも、なんか訳ありで、ここに来たみたいなんだけど、と思ってはいたが。

 普段から、あまり人の事情に首を突っ込むことのない日子は、やはり、ここでも突っ込まなかったので。

 東城が何故、ここで警備員をやることになったのかは知らないままだった。

「先輩も片付けられない人でしたよね」

「……なんだ、その決めつけ」

 いや、ご自分でおっしゃったんじゃないですか……と思いながら、日子は言う。