昨日、あなたに恋をした

 ……ちょっと失敗したな、と思った誠孝は、

「いや、まあ、たまには駅でも飲むが」
と言いかえた。

 本当は、出張のとき以外、駅で飲むことはないのだが。

 あっ、そうなんですかっ、と日子は、ホッとしたように笑う。

「じゃ、駅のカフェでおごりますよ」

「おごってくれなくていい。
 自分で出す」

 やっぱり少し早足になってしまいながら、誠孝はマンションの前庭を歩く。

「えーっ。
 それじゃ、意味ないですよ~」
と言いながら、日子はついて来た。