昨日、あなたに恋をした

 フリーズする日子に裕子が言う。

「なんか最近、目標がないっていうか。
 楓さん、新しいマンションに引っ越されたんですよね?

 いいなあ。
 素敵なんでしょうね~。

 楓さん、センスいいから。
 雑誌みたいな感じのお部屋かなあ」

 うっとりと語る裕子は、
「楓さんのおうちにうかがって、楓さんとお茶とかしたら、私、元気になれそうな気がします」
と言った。

 ……あなた、いつも私より元気ですよ。

「楓さんの素敵なおうちを拝見したら。
 こんなところに住めるようにお仕事頑張ろうって思える気がするんですよね」

 ……ゆーちゃん、仕事をやめてしまうかもしれない、
と我が家の惨状を思い出し、日子は怯える。

 家どころか、私の人生自体、仕事やめますか、人間やめますかくらいの惨状ですよ。

 っていうか、このデスクのひどい有りさまを見て、どうして我が家に夢が抱けるのですか、裕子さん……。