「最近、面白いことないんですよね~」
仕事中、日子が死ぬ勢いでパソコンを打っていたら、後ろからそんな呑気な言葉が聞こえてきた。
振り返ると、案の定、配布物を手にした裕子が立っている。
「ゆーちゃん、ここの仕事、やらせてあげようか。
面白いことなんてなくても。
ミスもなく、ペナルティも食らわず、日々、淡々と過ぎていくことが一番素晴らしいってよくわかるから」
いやあ~、結構です~、と笑って裕子は言った。
「新人のときは、毎日、緊張して疲れてたけど。
なにもかも新鮮で楽しかったんですよね。
最近、単調っていうか」
と溜息をついたあとで、
「楓さんのご自宅にうかがってみたいんですけど、いいですか?」
と裕子は言う。
待て。
今、話がどこをどう飛んで、そんなことに……?



