「スダチお好きなんですよね?
またいただけるみたいなんで、今度、お持ちしますね」
夕食をとったあと、誠孝はダイニングテーブルでノートパソコンを広げ、仕事のつづきをしていたが。
つい、何度も日子の言葉を思い出してしまう。
なんとなく、ネットでスダチの収穫時期について調べてしまった。
スダチの旬、夏じゃないかっ。
夏まであいつは来ないのかっ?
と一瞬、思ってしまったが、よく考えたら、春なのに、たくさんもらっていたようだから。
そもそもハウス栽培かなにかのスダチなのだろう。
……なんか、あいつと関わると、自分が莫迦になってく気がするな。
仕事のときには、気持ちいいくらい頭が冴えていてるのに。
この間から、楓日子を前にすると、思考に霞がかかったみたいになる。
普段やらないような阿呆なことをやったり考えたりしてしまったり。
あいつには積極的に関わらないのが得策だな、と思いながら、誠孝はネットを遮断し、仕事に戻った。



