昨日、あなたに恋をした

 誠孝はエレベーターに鞄の中身をぶちまけるところを想像してみた。

 ……片付けが大変そうだな。

 途中から乗ってくる人がいたら迷惑だろうし。

 次に、昨日からラグに置いたままにしているリモコンをとってきて、エレベーター内に斜めに置いてみる妄想をしてみた。

 現実的でないな……。

 一回エレベーターを降りて、走って部屋まで上がり、また下りてきて飛び乗らないといけないし。

 何故俺は、鞄の中にリモコンを入れておかなかったんだ、と妙な反省をしたとき、ん? と気づいた。

 つるつるした大理石風素材の壁の下の方に、うっすら子どもの靴痕らしきものが残っている。

 汚れてるじゃないかっ、このエレベーター!