昨日、あなたに恋をした

 


「いつもの後輩さんですか?
 いい人ですね~。

 なにかお礼しなくちゃですね」

 そう言い笑う日子の言葉を聞きながら、誠孝は、

 お礼になにをする気だ……と思っていた。

 日子に訊けば、
「いや、なにかお菓子をあげるとかですよ」
と不思議そうに言われるとわかっていて、そう思う。

 いい後輩で、いい奴なんだ。
 爽やかで。

 日子に紹介したら、二人で恋に落ちてしまうかもしれん。

 誠孝は無性に不安になっていた。

 二人で片付けを終えたあと、ソファに座っていた誠孝は、
「日子」
と呼びかける。

 手招きすると、日子がノコノコ近づいてきた。

 ()いた木の実にまんまと寄ってきた小動物のようだ、と思いながら、日子の腕を捕らえる。

 引き寄せ、自分の膝に座らせた。