……いつも通りの朝だ、と誠孝は思っていた。
さっきまでのラブラブな感じは何処行った?
ここを出立する前、最後の朝食用バーベキューをしようと日子は張り切っていた。
朝くらいはとスタッフの人の手はほとんど借りずに火を起こしたりすることにしたのだ。
「上手くいかないなあ」
焚き火台の前にしゃがむ日子がそう呟いたとき、
「じゃあ、これでつけろ」
と火起こし器を持った手が、にゅっとウッドデッキの真横から出てきた。
振り返ると、新太が立っていた。
裕子たちもいる。
「ばあさんがなにか隠してる風なんで、問い詰めたら吐いた。
今朝まで邪魔しないでやったんだぞ。
褒めろ」
っていうことは、今からは邪魔する気なんだな……と誠孝は思っていた。



