昨日、あなたに恋をした

「だってさ。
 送っておいて、送り狼にもならずに、ゲームだけして帰っちゃうのって、星野っぽくない?」

 言えてます~っ、と裕子が笑っている。

 ……送ったら、必ず、送り狼にならねばならないという決まりでもあるのですか。

 私はそこで、ゲームだけして帰っちゃう人の方が好きですけどね、
と思う日子の前で、郁美は、ふふっと楽しげに笑っていた。

「誰なのかしらね~、シゲタカさん。
 連絡とか、そのあとないの?」

「……ありません」

 沙知見さんでした、とは言い出せずに、日子は俯きがちにそう言った。

 社食でそんな話をしようものなら、周囲のテーブルから総攻撃にあいそうな気がしたからだ。

 滝田はチラとこちらを見たあとで、ふうん、という顔をしている。

 裕子が、
「でも、そのまま連絡なかったら、楓さん、もてあそばれて捨てられたみたいになっちゃいますよね~」
と言って、あはは、と笑う。

 いやだから、もてあそばれたのは、私じゃなくて、私のゲーム機ですよ……。

 っていうか、そこは笑うとこですか……?