「寝ているのならちょうどいい。
……聞いてもらおう」
そんな誠孝の声で、日子の意識は戻った。
自分がすごい体勢で寝ていると気がついたが、向きを変えることもできない。
話の続きが聞きたかったからだ。
寝ているのならちょうどいいと言うことは、起きたら話すのをやめるに違いない。
そう日子は思っていた。
ちょっと沈黙があった。
おっさんのようにひっくり返って寝たまま日子は誠孝の言葉を待つ。
「……好きとか嫌いとか。
俺はさっぱりわからないんだが」
いきなりそんなことを誠孝が言い出して、どきりとする。
らしくもなく、恋愛について語ろうとしているように思えたからだ。
いやいや、誠孝さんのことだから、今日のバーベキューについて語っているのかもしれないと一応、違った場合に備え、身構えておく。
緊張したのが無駄になったときのためだ。



