昨日、あなたに恋をした

 もちろん、ただの噂だが、そのくらい有無を言わせぬ迫力がある。

 こうでないと、社長秘書は務まらないんだなと思わせる感じだ。

「おふたりは私の憧れですっ」
といつも裕子は言ってくるが。

 いや……、憧れるのは、郁美さんだけにしてください、と日子は思っていた。

 あ~、味噌汁、弱った胃にしみる~。

 昨日の呑み疲れもあるのかもな、と思った。

 沙知見さんも結構呑んでたけど。

 あの人なら、朝、コンビニ弁当をチン、とかじゃなくて。

 さっとサッパリしたものを作って食べてそうだ。
 あの美しい部屋で、と思う。

 ひとり優雅に食事をする誠孝を思い浮かべている間に、裕子が謎のシゲタカの話をしていたようだ。

「ふーん。
 呑み会のあと、部屋に上がり込んでゲームやるとか、それ、星野じゃないの?」
と郁美は言う。

 どうしても、みんな奴を『星野・シゲタカ・丈太郎』にしたいようだ、と日子は思った。