昨日、あなたに恋をした




 湖畔に張り出したウッドデッキからは山と湖の上に広がる星空がよく見えた。

 ここは灯りが少ないからだろう。

 他の客たちも夕食どきのようで、あちこちのウッドデッキにランタンの灯りが灯っている。

 日子たちのテーブルもランタンと幾つかの、グラスに入った小さな蝋燭の灯りで照らし出されていた。

「ちょっと寒くないか?
 大丈夫か?」
と誠孝に訊かれ、いえ、と日子は微笑んだ。

「シ……誠孝さんは大丈夫ですか?」

「俺はそんな薄着じゃないから」

 誠孝は日子の避暑地によく似合うワンピースを見て言う。

「大丈夫です。
 ジャケットも羽織ってるので」

 日子は厚手の白いジャケットの袖を軽く手で叩きながら笑ってみせたが。

 実は、日子を暖かくしているものはそれだけではなかった。