次々、ボートが岸に着き、みんな降りていく。
「いや~、大変でしたね~」
とさっきのボートの女の子とたまたま一緒になったので、笑い合ったとき、いきなり雨がやんだ。
えっ? と日子は空を見上げる。
「晴れましたね……。
あっ、向こう虹っ」
今の雨、なんだったというくらいの勢いで西の方から晴れてくる。
風が強くて、雲が早く流れていったのだろうか。
二重の虹が山にかかっていた。
「すごいっ。
頑張ったご褒美みたいですねっ」
一緒にひどい目にあったあと見たゴージャスな二重の虹に、見知らぬ者同士手を取り合って喜んだ。
バーベキューをしていたらしい人たちも軒下から笑顔で虹を見上げている。
キャンプ場の人たちが心をひとつにした瞬間だった。



