昨日、あなたに恋をした

「明日早いから、そろそろ帰るよ。
 お前も早く寝ろよ、おやすみ」
と誠孝は立ち上がった。

「あっ、はいっ。
 ありがとうございましたっ。

 おやすみなさいっ」

 荷物を置いた日子が急いで見送りに出てくれる。

 玄関で靴を履き、振り向くと、日子がにんまり笑い、
「明日、楽しみですね」
と言ってきた。

「ああ、ちょっと天気が心配だが、楽しみだな」

 そう返しながら、頭の中は別のことを考えていた。

 恋人同士なら、ここでキスのひとつもするんだろうが。

 ……違うからな。