昨日、あなたに恋をした

 否定するのが寂しいと思ってしまったからか。

 日子は誠孝を見つめて言う。

「違うよ。
 全然、そんなんじゃないよ……」

 なんだかシゲタカさんの顔もちょっと寂しそうに見えるけど。

 それはたぶん、寂しそうな私の顔がシゲタカさんの瞳に映ってるからなんだろうな、と日子は思った。

 ……なんで寂しいんだろうな、私。

 そう思ったとき、相変わらず、聞いているのかいないのかわからない感じに節子が、

「あら、そうなのー」
と相槌を打つ。

「あ、そうだ、これあげるわ。
 知り合いのやってる新しくできたグランピング施設の割引券。

 トレーラーハウスにも泊まれるのよ。

 お礼にお金出してあげるから、二人で行ってらっしゃいよ。
 早く終われたら、今日でも行ってきたら?

 空いてたらだけど」

 いやあの、我々はカップルではない、と今、言いましたよ。

 何故、二人で旅行に行く話に……、と日子は思っていた。