昨日、あなたに恋をした

「坂本さんたちと旅行に行くのよ、七月。
 結納はいつ?
 結婚式は?」
と矢継ぎ早に訊かれる。

「いやあの、おばあちゃん、沙知見さんはそういう方では」

 言いながら、日子は自分で、では、どういう方なんだ? と思っていた。

「そう?
 でも、新太が、今日、自分と高道の代わりに、誠孝さんっていう、すごいいい人が来るけど、絶対、日子と二人きりにしないでって言ってきたから。

 ああ、日子の彼氏なんだなと思って。

 違うの?」

「ち、ちが……」

 違うのは確かなことなのに。

 何故か、その言葉が、すっと出てこなかった。