昨日、あなたに恋をした

「待てっ」
とまた手を止めてしまう。

「そいつは駄目だ」

 左大臣は爺さんだが、右大臣は若くてイケメンだ。

 日子は、苦笑いしてこちらを見ていた。

 落ち着け。
 この女雛は日子ではないし、日子は女雛ではない。

 それに、この雛人形は日子のでもない。

 第一、一個の段飾りにいちいち、こだわっていては、今日中に全部片付かない。

「悪かった。
 とりあえず、詰めよう」

 おばあさまが戻ってこられたとき、なにも片付いてなくて使えない男だと思われるのは嫌だからな、と思いながら、黙々と詰めはじめる。

 日子はせっせと小道具を小さな箱に入れていた。