昨日、あなたに恋をした




 ベルゼブブさんに敵視されるとは光栄だ、と思いながら、誠孝はダンボールから出てきた不織布の保存袋で人形を包んでいた。

 日子も同じようにやっていたが、不器用なのでいまいち綺麗に包めていない。

 だが、ここで手を出すのは駄目な親だよな、と親でもないのに自分に言い聞かせ、温かく日子を見守ってみた。

「あれっ?
 女雛と男雛を同じ箱に入れようと思ったのに、女雛の着物が立派すぎて入らないですね~」

 厚みがあって張りのある十二単が幅をとりすぎて、男雛が一緒に入れないようだった。

 それは箱を間違ってるんじゃないのかと思いながらも、まだ見守る。

 だが、雑な日子は、
「そうだ。
 三人官女の着物はそれほどでもないから、男雛と三人官女のどれかを一緒にして。

 女雛は別のシンプルな男の人と一緒に」
と言い出した。

「待て」
と誠孝は女雛をよその箱に移そうとする日子の手首をつかむ。