昨日、あなたに恋をした

「ずいぶん、沙知見さんちのお酒も呑んでしまいましたので。
 今度、お礼に、いいお酒お持ちしますね~」

「いや、そんなことはいいんだが……」

 ……いいんだが? と日子が見上げると、誠孝はちょっとの沈黙のあと、

「……いいんだが。

 ……おやすみ」
といまいち話のつながらないことを言ってきた。

 だが、猛烈に眠くなってきた日子は、そのまま、

 はい、おやすみなさい。
 ごちそうさまでした、と頭を下げる。

「家入るまで見ておいてやるから、入れ」

 そう誠孝に言われ、ありがとうございます、と言いながら、日子は、とととっと廊下を横切り、自分の部屋の鍵を開ける。

 入る前に、振り返ると、また深々と頭を下げた。

「おやすみなさい」
と部屋に去る。