昨日、あなたに恋をした

「これ、出すの大変だったろうな」

「そうですね。
 私も学生時代は手伝ったりしてたんですが、社会人になってからはなかなか。

 ああ……わかりました。
 これを片付ければいいんですよね、はいはい」
と日子は正気に返る。

 心構えもなく、暗がりの雛人形を見てビビってしまったが。

 よく考えたら、単に部屋中に置かれた雛人形が日焼けしないよう、カーテンが閉めてあっただけのことだった。

 そのとき、タイミングよく日子のスマホが鳴った。

 祖母の節子(せつこ)からだった。

「日子、もう来てる?」

「おばあちゃん、何処っ?」