「あ、ここに入れてください」
広い庭の砂利が敷いてある部分にとめてくれるよう日子は誠孝に頼む。
車を降りた誠孝は手入れの行き届いた庭と日本家屋を見て、
「大きな家だな」
と呟く。
「呪われた開かずの間がたくさんありそうだ」
「……ないですよ」
と日子は苦笑いする。
「そもそも、ほとんどの部屋、襖で締め切られてるだけなんで、簡単に開きますよ」
襖を取り払えば、広い宴会場にできる昔ながらの家だ。
「おばあちゃーん、来たよ~」
日子はガラガラと古いすりガラスのはまった玄関扉を開ける。
が、玄関から続くよく磨かれた広い廊下は、しんとしたままだった。



