この一緒に料理作った近所の人って……沙知見さんだよな、きっと。
自分ひとりで作ったんじゃないとバラす辺りが楓さんらしいと言うか。
そんなことを思いながら、香椎は早朝の空いた電車で日子のインスタを眺めていた。
溜息をついたとき、
「おはよう」
と真横で低いいい声がした。
びくりと振り返ってしまったのは、声フェチだからか。
何処かで聞いた声だったからか。
真横に、いつぞや自分を脅してきたイケメンが立っていた。
「元気か?」
げ、元気です……と言いながら、視線をそらしてしまう。
視線をそらしてしまったのは、おのれの罪を知っている相手だからなのか。
顔も声も結構好みだからなのか。
これまた、わからない、と震えながら香椎はつり革を手に立っていた。



