「日子、この土日は暇なのか?」
ほうれん草を茹でながら誠孝が訊いてきた。
夜、偶然帰りに出会った誠孝と、日子の家で一緒に料理を作っていたのだ。
今まで仕事で疲れているから、料理をしたくないのだと思っていたが。
キッチンが綺麗だとやる気になる。
いや……ひとりじゃないからかな、と日子はチラと真剣な顔で茹で加減を窺っている誠孝を見た。
一日どっぷり浸かっていたゲームの世界から目覚めて、真っ先に思ったのは、この人のことだったなと思いながら。
「いいえ、それが今週末も用事があって。
あっ、そうだ。
お暇なら、あのゲーム、また貸しましょうか?」
「だから、何故、心が遠くへ行ってしまいそうなクソゲーを俺に貸そうとする。
そういえば、日曜は何処に行ってたんだ」
昨日は、いまいち正気じゃなかったので、訊きそびれた、と言う誠孝に、
そうですね。
二度、世界が滅びた極寒の大地にいらっしゃいましたもんね、と日子は苦笑いする。



