昨日、あなたに恋をした

 噛むとスープが出てくる小籠包ほどではないが、旨味成分がじゅわっと出てくる。

「……餃子は好きか?」

 誠孝にそう問われ、
「えっ、はいっ」
と日子は緊張したまま答える。

 そのまま真正面から見つめられ、カタカタとスープのれんげを震わせそうになってしまった。

 あのっ。
 緊張する原因は、もうひとつあるんですけどっ。

 その美しい顔で、まっすぐに見つめないでくださいっ。

 会議室はロの字型に長机が置かれているので、いつも誠孝とは距離があるのだが、今はそれより、ずいぶん近い。

 だが、ダイニングテーブルで向かい合って座り、距離が近いと思ってしまったのは初めてだった。

 友だちと話すときなどは、むしろ遠い感じがして。
 お互い、身を乗り出してしゃべってしまったりするのに。