「お待たせしましたっ」
出てきた日子を見て、誠孝が驚愕する。
「……何故、別のよそ行きに着替えてくる」
日子は新しいワンピースに着替えていた。
……乙女心だ。
誠孝は、なにも伝わらなかったようだ……という顔をしていた。
なにが伝わらなかったんですか……と日子は見つめてみたが、答えはなかった。
だが、
「まあ、いい。
行こうか」
と歩き出す誠孝は、最初に驚愕の表情を浮かべたわりには、そんなに機嫌は悪くなかった。
実は、その春らしいワンピースが日子によく似合っていたからだったのだが、もちろん、日子には、そんなことはわからない。
「あ、社報、届きました。
一応、お礼のメールは送ったんですが。
石田さんたちに、よろしくお伝えください」
とちょっと照れながら、コンビニに行く。
今日の警備員は東城ではなかった。
たまに話す、おじいさんの警備員さんが愛想良く、
「いってらっしゃい」
と微笑んでくれた。



