昨日、あなたに恋をした

 日子は口に出していいものなのかな、と思いながらも言う。

「でも、部屋が綺麗すぎて、手が震えちゃって。
 この美しい部屋に、タレとかスープとか飛ばしてしまったらと思うと……」

「飛んだら、拭けばいいだろ。
 キッチンとダイニングテーブルの周りには、拭いたら汚れが落ちる素材のものしか置いてない」

 改めて見回してみたが、確かにそうだ。

 絶対汚したくない感じの真っ白なラグはソファの前にあって、ここからは離れている。

 そして、汚れたら、さっと拭けるように、テーブルにもキッチン周りにもほとんど物がない。

 片付け上手な人はこういうところが違うんだな……。

 今日帰ったら、キッチンの物減らそう、と日子は密かに反省していた。

「餃子、早く食べないと次が焼けるぞ」

「は、はいっ」
と慌てて、まだ熱々の餃子をひとつ、口に入れる。