昨日、あなたに恋をした

「いえ、大抵、帰宅したとき、ばったりエントランスか廊下で会って、一緒に行くので、スーツですね」

 ……そういえば、宅配業者はもう見たかもしれないのに、俺はあのもふっとしたルームウェアの日子をまだ見ていないっ。

 そもそも、うちに呑みに来るときも、あいつ、わりとカチッとした格好で来ているような、と誠孝は気がついた。

 ベルゼブブさんは親戚だし。

 ゆるい格好の日子をいつも見ているに違いない。

 なんだか負けている気がするっ、と誠孝は不安になる。

 今、ベルゼブブさんが服装を訊いてきたのも、俺と日子の親密さの度合いをはかるためだったのではっ。

 その証拠にもう話が切り替わって、日子の話題ではなくなっている。

 日子の親戚である新太に、お前たちの関係、まだまだだな、と言われた気がして、誠孝は少し焦りはじめていた。

 いや、日子を好きでないのなら、なにも焦る必要などなかったのだが。