昨日、あなたに恋をした



「す、すごいおうちですね」

 日子はワインを胸に抱き、そろそろとよく磨かれた廊下を歩く。

「向きが反対なだけで、同じ造りだろう」
と前を歩く誠孝は言うが。

「そうなんですけど。
 同じ部屋なのに、なにかが違うんですよね」

 玄関の雰囲気といい、よく掃除された感じといい。

 さりげなく置かれていいるセンスのいい調度品のせいもあるかもしれないが。

 まったく違うマンションのように日子には思えた。

 扉の向こう、リビングに入ると、ほのかにいい香りまでしてきて。

 シックな淡い色彩でまとめられた室内は、まるで、落ち着く手揉みの店か、エステのようだと日子は思った。