昨日、あなたに恋をした

「そうですよね。
 つい、材料とか器具とかに変に凝ってしまって。

 最先端の調理器具が欲しいとか思っちゃってました。

 料理って、そんなもんじゃないですよね」

 こいつ、極端から極端に走りそうだからな。

 今度は、
「材料や調理器具に頼らず、初心にかえりますっ」
とか言って、いきなり木をこすって、火起こしからはじめそうだ。

 だが、なんだかんだで、日子がここまで頑張っていたのは本当だ。

 あれだけ料理苦手だったのに、
と誠孝は、ようやく微笑ましく感じられるようになった。

「でも、ちょっと食べてみたいかな、その塩で作ったお前の料理」

 その言葉が口から出たとき、……あ、言えた、と思った自分に気づいた。

 なんだ、俺はずっとそう言いたかったのか、と思ったとき、日子が喜んだ。