昨日、あなたに恋をした

 いや、AIかもしれん。

 それか、ネットやテレビの向こうの人なのかも。

 だって、全然見ないしな。

 誠孝は、ついに新聞のテレビ番組欄で『楓日子』を探してしまった。

 ……日子に、しばらく会えないからって、なんなんだ。

 どうでもいいじゃないか。

 もともと、仕事でちょろっと顔を合わせていただけの奴だし。

 ただ、美味いものや美味い酒をご馳走すると、子どもみたいな顔で喜んだり。

 俺に仕事で叩かれて、毒づいたり。

 宅配便を可愛いパジャマみたいな服で取りに出ようとしてみたり。

 東城にストーカーされてみたり。

 男でも惚れ惚れするようなベルゼブブさんに好かれてみたりする。

 ……たったそれだけの奴じゃないか。

 そう思いながら、日子の部屋の扉を見たとき、チン、と可愛らしい音がして、エレベーターが着いた。

「あっ、沙知見さんっ。
 お疲れ様で~すっ」
と日子が現れる。