昨日、あなたに恋をした

 日子は照れて笑いながら言う。

「いや、そんな中心になってやってるわけじゃないです。

 それに、後輩をビシッと叱るとか。
 そういうのも苦手ですし。

 大きなミスをした人をボコボコにするとか基本、ないです」

 基本ないっ!?
ということは、あるっ?
という顔で、取材の人たちが見る。

 だが、
「でも、楓さんが声を荒げて叱ってるところとか、想像がつきませんね~」
と石田が言って、みんな笑った。

 裕子も笑っていた。

 そんな日子を見たことがないからだ。

 部署の後輩、道中(みちなか)は笑っていなかった。

 見たことがあるからだ。

 取材陣の後ろにいる誠孝は驚いてもいなかった。

 ゲームのコントローラーを握った状態の日子を知っているからだ。