昨日、あなたに恋をした

 だが、それを言ったが最後、俺がほんとうに心底、誘われるのを楽しみにしてると思われるんじゃないかとか。

 変に深読みしてしまって、言葉が出なかった。

 パタン、と扉は閉まり、鍵のかかる音がして、もう開くことはなかった。

 でも、さっき閉まったときほど、寂しくない。

 それはきっと、日子が、また呑もうと誘ってくれたからだ。

 それはわかる。

 でも……

 だが、しかしっ。

 俺は楓日子も、ニチコも、職場での夜叉も、好きなわけじゃないし。

 心惹かれてなどいないし。

 自分のペースで動ける完璧な日常を送りたいから。

 相手のちょっとした動向で心臓がバクバクするような毎日ごめんだし。