昨日、あなたに恋をした

「昔、神戸で呑んだ白ワインがめちゃめちゃ美味しくて。
 なんだったんですかね~、あれ」

 そんなことだと思った、と誠孝はホッとする。

 ホッとした理由は自分でもわからないが。

「でも、今言った忘れられないものは、白ワインではないんです。
 白ワインのことを思い出したので、連鎖的に思い出したことなんですけど」

 心臓に悪い、と思ってしまうのは、安堵した途端に、日子がまた話をひっくり返してきたからなのか。

 それとも、日子がやけに、まっすぐに自分を見つめてくるせいか。