「いいシュウマイ、悪いシュウマイがあるのなら。
いい酒、悪い酒もあるよな」
日子が酒を手にやってきて、かなり手慣れた感じに、皿を出したりしてくれた。
誠孝はその様子を見ながら、こいつ、実は鍛えたら、仕事と同じに、家事もできるのかもしれん、と思う。
だが、鍛えない。
なんでもできる日子になってもらっては、何故だか困る気がしたからだ。
日子は、ほかほかのシュウマイが大量にのった大皿を運びながら、
「悪い酒などこの世にありません」
と断言する。
「あるとすれば、ちょっぴり酔いすぎる酒のことです」
この世に存在する酒は、みな、すべて正しいと日子は言う。
酒呑みらしい意見だな、と誠孝は思った。
だが、日子は、そこで微妙な顔をする。



